俺は今、珠ちゃんとカジノに来ていた。
俺の装備は相変わらず貧弱で、着ている服もいつも通りだ。
そんな格好ではカジノに入れないと思ったが、そうでもないらしい。
なんでも、この世界の人は金が絡むことには結構寛容なようで、服装とか関係なく入れるそうだ。
珠ちゃんは狂ったように竹刀を振り回している。どうやら、剣道の試合を思い出してしまったようだ。
俺はというと、スロットマシーンを弄っていた。
最初は適当に押していたのだが、これがなかなか当たらないのだ。
そこで俺は気付いた。これはあれだ! 昔やったことがある! 確か、こういうゲームは確率機といって、何万分の一かの確率でしか出ないようになっているんだ。だから、適当にボタンを押しても当たるわけがないんだよなぁ。AIちゃんありがとう。
よし、そうと分かれば話は早い。俺はボタンから手を離し、じっくりと観察した。
それがいけなかった。
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