ヤクルト村上手記

親友に約束した優勝でした。難病の両側特発性大腿骨頭壊死症の影響で今季限りで引退するオリックス・西浦颯大(はやと)外野手は、小学校時代からの友人で良きライバルです。
颯大とは同じ熊本県出身で小、中学校は何度も対戦しました。颯大は当時から本当にすごい選手でした。足が速くて、スイングスピードも速い。
ただ、一度も自分が負けていると思ったことはありません。互いに切磋琢磨して『一緒にプロにいこう』と話していたのを今でも覚えています。

手術後のリハビリ期間中に『颯大、元気?』と連絡したときには『リハビリ頑張っているよ』と返ってきました。
でも、引退を発表する1週間前くらい前に連絡が来ました。『野球を辞めることになった』。言葉を失いました。まだ4年目。
大好きな野球ができなくなるのは想像を絶する悔しさだったと思います。どう声を掛けていいか悩んでいると、颯大からメッセージが届きました。

『絶対、優勝しろよ』

目頭が熱くなりました。颯大が一番つらいはずなので、応援してくれる。野球を続けたくてもできない人がいる。
颯大の思いも背負って、プレーしようと強く思った瞬間でした。颯大の分まで長く現役を続けたいし、野球と全力で向き合っていきたい。
颯大は限界まで挑戦した。自分も後悔のないようにやっていきたいと胸に刻みました。