飼い猫の一生にかかるお金は平均で約264万円――。総合保険代理店のR&C(東京)は16日、愛猫との暮らしにまつわる、こんなアンケート調査結果を発表した。

 調査は昨年12月26、27日、猫を飼っている全国の20~60代の男女3000人を対象に、インターネット上で実施した。猫の鳴き声「ニャン」の語呂合わせから「猫の日」とされる2月22日を前に、調査結果をまとめて公表した。

 調査結果では、猫の生涯でかかる費用は平均264万6956円だった。費用別では、「食費」がトップで、平均64万4885円(月3515円)に上った。一度の支出が高額になりがちな「医療費」が平均46万8419円と続いた。

 無視できない金額になったのは、冷暖房費だ。猫を飼う家庭は、冷暖房を長時間使用して室温を常に一定に保つケースが少なくない。冷暖房の利用時間や一般的なエアコンの電気代などを基に、冬場(12~3月)の「暖房費」が平均39万3363円、夏場(7~9月)の「冷房費」は平均26万2038円かかると算出した。足元の電気代高騰を踏まえれば、より高額になる可能性もありそうだ。

 一般社団法人ペットフード協会がまとめた飼育実態調査によると、猫の平均寿命は15・62歳。月数千円の支出でも、積み重なると大きな金額に膨れ上がるようだ。

 ペットフード協会によると、2021年の猫の新規飼育数は48万9000匹で、前年から6%ほど伸びた。新型コロナウイルス禍の影響もあってか猫の人気は高まっている。一方で、20年度の環境省の調査によると、飼い主からの引き取り数は約1万匹に上っている。R&Cの担当者は「(調査を通じて)リアルな費用を事前に理解し、猫を飼うことに慎重になるきっかけにしたい。経済的な理由で猫を手放す不幸を減らす一助になれば幸いだ」とコメントした。