>2017年夏の甲子園出場をかけた熊本大会準決勝。文徳高は藤崎台県営野球場で九州学院高と対戦した。3点ビハインドの9回に1点を返し、なおも走者を置いて、2死で打席に4番の萩尾が入ると、マスクを被っていた村上の声が聞こえた。
「お前、絶対打たせないからな」
当時、ドラフト候補と騒がれ注目選手だった村上は、対戦相手としてはもちろん、プロの世界を目指している自分としても、意識する存在だった。その選手から、自分に対して発せられた言葉に、冷静さを失ってしまった。「何か嫌な感じになりました。ネガティブな気持ちというか……独り言で言ったのかもしれないですけど、聞こえちゃって。何でここで言うかって」。その後、萩尾は遊ゴロに倒れてゲームセットとなった。
「本人は覚えているか分からないですけど、その言葉を聞いて、僕の中では冷静を超えて気持ちがダウンしちゃったので、記憶に鮮明に残ってるんです」
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