『おかずのクッキング』最終回 だし巻き玉子
土井善晴「簡単にはできませんで。やれるもんならやってみてください」

(土井善晴)「こないしたら簡単や」言うばっかりやったら……簡単なことって、別にそんなにしたいこと、ないんですよ。
「難しいことをできるようになりたい」いうのが、やっぱり人間やったら、あるんですよ。だけどもそれを最初から「難しい」と言われると、特に子供とかは「よしっ!」って思うんです。

(星野源)「やってやるぞ!」と。

(土井善晴)「やってやるぞ!」って。なんかわかんないけれども。なかなかできへんでって。そやけども、できたらすごい褒められたり。自分が「やったー!」いうのがあるから。
それが、やっぱり物を作る楽しさいうのは、簡単すぎたら面白くない。やっぱり「ちょっと頑張ったら、行けるかもしれない。もうちょっと練習したら……」って。それこそ、マラソンで4時間を切れるかもしれないとか。そういうようなことって、あるじゃないですか。目標って。

だけどその目標いうのも、本当にできへんのですよ。でも、できないけども、やっている。それをやっていて、また違うこともやっていて。
1週間後、ちょっとやってまだあかん。でも1ヶ月ぐらい……全然しなくても、1ヶ月後に。そういうように他の経験をすると、1ヶ月後に「あれ? できた!」って。そうしたら、それは自分の成長が見えるんですよ。

(星野源)そうですね。(土井善晴)これはね、やっぱりね、「誰にでもできますよ」っていう話じゃなくって。「やれるもんなら、やってみなさい」って言う方が、なんか面白いじゃないですか(笑)。

(星野源)面白いっすね!

(土井善晴)「そんな、簡単にはできるわけないねんで」って。