「それで、今夜は誰を殴ったんだい?」ニヤニヤ笑いを止めながらハリーが聞いた。「また十歳の子か?昨日の晩、マーク・エバンズを殴ったのは知ってるぞ――」
「あいつがそうさせたんだ」ダドリーが唸るように言った。
「へー、そうかい?」
「生言いやがった」
「そうかな?君が後ろ足で歩くことを覚えた豚みたいだ、とか言ったかい?そりゃ、
ダッド、生意気じゃないな。ほんとだもの」
ダドリーの歌の筋隊がひくひく癌鬱した。ダドリーをそれだけ怒らせたと思うと、ハリーは
大いに満足だった。
鬱懺を、唯一の捌け口のいとこに注ぎ込んでいるような気がした。