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調べたら悲惨な経済で草

バブル崩壊後の 1991 年を節目として「失われた 20 年」と言われること があるが、家計部門の変化の節目は 1998 年であったと考えられる。
正規雇用者の減少とその賃金の低下、一方で賃金水準は上昇しても格段 に水準の低いままの非正規雇用者の増加、結果としてのトータルの雇用者 報酬(SNAベース)の減少が生じた。さらに可処分所得の減少につなが り、家計最終消費支出が頭打ちになるとともに、民間住宅投資もレベルダ ウンした。家計部門の現金・預金残高は頭打ちとなり増えなくなった。こ うした中で、人々の収入に対する不安が高まった。一方、企業は貯蓄超過 に陥るとともに、期待成長率は2%を切ることとなった。そして、GDP ギャップが拡大し、GDPデフレーターやCPIが低下を始めた。こうし た経済情勢の悪化は、再び雇用者報酬の低下につながる。このような変化 が 1998 年頃に生じていた。なお、2000 年代中ごろ以降、一時回復の兆し が見られたものの、リーマン・ショックの発生により再び低迷に陥った。
本稿では、このように、1998 年を節目として生じた日本経済の変化を、 マクロデータを分析することから示す。政策や企業の対応も、相互に影響 し合う様々な分野において同時並行的に進められることが必要であろう。