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 それまで淡々と質問に答えていた永富直也被告(21)が、言葉を濁した。

 「(暴行翌日の)夜、同居相手とは別の女性とLINE(ライン)していませんでしたか」

 検察官がその女性のLINEのアカウント名を読み上げる。暴行翌日はまさに被害者の新井礼人(あやと)ちゃんの
容体が悪化し、目の前でぐったりと動かなくなってしまった日だ。

 「この人とお互い『好きだ』とかそういうやりとりをしていませんか」

 「覚えていない」と繰り返した永富被告だが、証拠などから自分のLINEアカウントから送信したメッセージであることを認めた。

 「この人は誰なんですか」

 「友達です」

 「どういう関係?」

 「…そこまでは言いたくないです」

 すでに検察官からの質問で、同居相手だった女性とは別に2人の交際女性がいたことを明かした永富被告。LINEの
人物はその交際相手とも違う女性だと答えた。

 「警察が来てから、『自分は捕まる。出てくるまで待っててね』と女性に送っている。本当に礼人ちゃんが心配だったのか」

 検察官が質問を突きつける。同居相手だった女性が救急車を呼ぶと「ここにいられない」と部屋から逃げたことも指摘され、
論告では「被害者に思いをはせる様子がなく、生命軽視の程度は甚だしい」と断じた。

 礼人ちゃんの父親になる気はなく、複数の女性との関係があった、と話した永富被告。法廷では暴行の背景について
「同居相手が掃除をしないこととご飯を作らないことにイライラしていた」とも語り、「あなたがイライラする立場にあるのか」
という検察官の質問には「あると思います」と返した。
https://www.sankei.com/article/20170921-SZFVKVCS5NNQZOCDP2XSHR247U/