松田大作を見るたびに、こいつはどうせろくな者にはならない、と馬券親父が言った。
乱暴で乱暴で行く先が案じられる、と母が言った。
なるほどろくな者にはならない。
ごらんのとおりの始末である。
行く先が案じられたのも無理はない。
ただ懲役に行かないで生きているばかりである。