舞台は東京・大田区の葬儀場。篠塚被告はここで葬儀を行うために安置されていた若い女性らの遺体に対し、胸を揉(も)み陰部に指を出し入れするという性的接触を行い、その様子を自身のスマホで撮影していたのだ。
一連の犯行が明るみになったきっかけは、篠塚被告による盗撮行為だった。彼は遺体へのわいせつ行為だけでなく、職場の女性用トイレで盗撮も繰り返していた。冒頭陳述によれば昨年10月、子供とともに式場を訪れた客が、子供からこう告げられたのだという。

「トイレにケータイが置いてある」

するとほどなく、篠塚被告がやってきて言った。
「私のです」
その場でスマホの中身を確認したところ、先ほどトイレを利用していた子供の映像があった。こうして盗撮容疑により逮捕されたのち、スマホの解析を行うなか、遺体へのわいせつ行為も発覚した。起訴されているのは25件のトイレ個室内における盗撮と、遺体へのわいせつ行為のために葬儀場に許可なく立ち入ったという3件の建造物侵入。つまり、3名の女性の遺体に対し、わいせつ行為を働いたことになる。「盗撮は5年前から繰り返していた」というから、実際の件数はそれよりもはるかに多いことだろう。