少年らの供述の信用性 

この東京高裁判決では、週刊文春が取材したうちの二人の少年について、その淫行行為が真実であったと認定している。一人(少年A)は最初の「淫行」当時15歳の中学校3年生であり、もう一人(少年B)が被害に遭ったのも中学2年生~3年生の時期だと思われる。この二人はどちらも法廷に出廷し、裁判所での証人尋問において自らが受けた被害を具体的に供述したのである。もっともこの証人尋問は、少年らのプライバシーに配慮するため非公開で実施された。

二人の供述について東京高裁は、「これらの少年らの一審原告(ジャニー喜多川)のセクハラ行為の態様及びその時の状況に関する供述内容はおおむね一致するものであり、かつ具体的である」と認定している。

また週刊文春の取材班は全部で「少年12名に取材し、そのうち10名以上がホモセクシュアルの被害を訴えたこと、取材班は、少年らに対し、大事な点については、角度を変えて何度か繰り返し質問し、矛盾がないか確認したこと」が認定され、法廷で証言した少年Aと少年Bの2人を含めて「上記の少年らは、一審原告のセクハラ行為について具体的に供述し、その内容はおおむね一致し、これらの少年らが揃って虚偽の供述をする動機も認められない」から、「これらの証言ないし供述記載は信用できるものというべきである」と判示している。