>>767
キチン質は一部でさらに消化酵素以外にもアレルギーの問題がある。
昆虫を日常的に消費するタイや中国では、カイコの蛹やバッタを食することでアナフィラキシーを引き起こしたケースだって多数報告されている。
昆虫はエビ・カニ同様、食物アレルギーを引き起こす可能性のある食材といえる。甲殻類と昆虫類は、同じ節足動物というグループに含まれ、比較的近い間柄である。甲殻類の持つアレルゲンの代表例として、トロポミオシン、アルギニンキナーゼ、トロポニン(Cサブユニット)などの筋組織中で働くタンパク質が挙げられるが、これらはいずれも昆虫と非常によく似た構造と機能を保持している。実際に、甲殻類アレルギーの罹患者はミルワーム(チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫)やコオロギを含む食品に反応するという報告がある。
さらに、貝類やタコ・イカなどの頭足類を含む軟体動物のアレルギー罹患者も注意が必要。イエダニやゴキブリ、コオロギにおいて、イカや貝類のアレルゲンとの共通性も指摘されている。