押井守曰く。宮崎駿は「飛んだり跳ねたり走ったりすることだけで、エモーショナルな何かを喚起できる力」を
表現することができる、唯一無二の天才アニメーター。監督としては三流以下。

 押井守曰く。高畑勲は超一流の演出家。彼の影響を受けなかった人はアニメ業界にいない。
同じ「画を描かない監督」という共感もあって、『じゃりン子チエ』と『赤毛のアン』は勉強のため、
何度も一生懸命観た。師匠(鳥海永行)が言っていた「無駄をやらないということが最大の演出」
ということが理解できた。ジブリ初監督作『火垂るの墓』は高畑勲の作家主義が100%爆発している。

死とエロス」が匂う高畑勲の最高峰作だが、残酷すぎて人間不信になるから「子供に絶対観せたくなかった」。
『赤毛のアン』の頃まではあった「面白い物語を語りたい」という意志が消えて無くなり、『火垂るの墓』から
「知性と教養」だけで映画を作るようになってしまった。『かぐや姫の物語』は作画の力だけは随所にあるが、
ジブリ内部で「なぜいま『竹取物語』なのか」と侃々諤々と議論された形跡が全く見られず、
高畑勲がひたすら奔放に好きなように作った結果、かぐや姫の5人の求婚者エピソードも一つ一つ省略せずに描かれ、
ダラダラとしてテンポが感じられず、往年の高畑勲の演出力は滅茶苦茶ユルくなっていた。

押井が言うには宮さんは天才アニメーター、高畑は超一流演出家