【悲報】Amazonレビュー、ボロクソ

最終巻だけに、主人公の山下と、準レギュラーとして登場した元後輩・郷田との関係が進展して決着している。山下のエチオピア赴任が決まり、その前にと、かつての後輩で風俗嬢になった郷田に会いに行く。

しかし、そのアプローチが完全に犯罪である。既に辞めた社員の履歴書から実家の住所を探り、勝手に実家に押し掛ける。これは職務で扱った個人情報の不正利用で、懲戒解雇の対象にさえなる行為なのだが、その程度の事が解っていない。こんな男が、商社でエチオピア赴任を任される優秀な営業マンだとはとても思えない。むしろ、職権濫用で性犯罪を犯す危険人物にしか見えない。

かつての上司で自分が風俗勤めをしていた過去を知る男が、実家と父の入院先にいきなりやってきたら、恐怖以外の何物でもないだろう。こんなストーカー行為をしておいて「力になりたい」と抜かす神経は異常だし、それで相手が根負けして頼ってきたのを、純愛だと思い込める神経が常軌を逸している。精神的に追い込んで支配する事を愛情と思っている。

これを相手を心配しての行動だとして、美談のようにまとめているのが恐ろしい。この異常な欲求を持った主人公の人物像は、物語の展開の為に意図的に演出したものではなく、作者自身の感覚の反映だと判ってしまうのが余計に怖い。