こうなると、大谷の前には常に走者を置きたい。これまでは、ヌートバーを新鮮な目で見たかったので過去の打席映像は見ないようにしてきたが、実際見るといい打者だ。早めにトップを作り、ゆったりとボールに入っていけるから、しっかり間が作れている。

 打つとチームが乗っていける雰囲気もある。このまま、本番でも1番に置いたらおもしろいと思う。ただ、チームに合流してから打席数が少ないのは不安材料でもある。油断してはいけないが、9日の初戦・中国戦を終えた時点で打順を再考するくらいでいいのではないか。

 この日のように1、2番が機能すれば、大谷は3番でいい。ヌートバーが苦しむようなら、近藤をトップバッターに据え、大谷を2番に置きたい。どちらにしても、大事なのは大谷の前後を打つ打者だ。村上に吉田、岡本らがいかにチャンスで返せるかが大きなポイントだろう。

 ここまでは元気のない村上だが、2回の1打席目は多少、打つポイントが改善されているように見えた。その後の三振には迷いを感じたが、まだ、1試合ある。1本のヒット、一振りで変わってくるので、3冠王の復調を信じたい。(スポーツ報知評論家・高橋由伸)