定期

記者:山下教授は4校の国公立大学、3校の私立大学で教鞭をとられてきたとのことですが、両者の学生に相違点はありましたか?
山下教授:はい、ありました。その相違点というのは国公立大学の学生は私立大学の学生に比べ、学力的に未熟な問題児が多いというものです。そして、その主因としては両者の入試制度の違いというものが挙げられます。まず、私立大学の入試はその専門分野で本当に必要な科目だけに絞った専門型入試です。それに対し、国公立大学の入試は「全科目浅く広く」を求める汎用型入試です。ここで、大学とは専門教育の場であり、大学で求められる能力は特定の分野に特化したスペシャリスト的能力です。そのため、大学受験を通して「浅く広く」の学習しかしてこなかった国公立大学の学生の指導には苦労したという経験もあります。一方、私立大学の学生が「全科目浅く」の学習ができないかと言うとそうではありません。なぜなら、「全科目浅く」の学習は高校で文科省が定めた学習要領を達成することで十分身に付けることができるからです。これらの事実より、学力において私立大学の学生は国公立大学の学生の上位互換であると言えます。