男のオーガズムのための、女のオーガズム
男性の「性欲」は、一義的には「射精欲求」だが、それ以上に「支配欲求」が極めて強いことは、ポルノコンテンツの多くに強姦もの・緊縛ものなどの「暴力的支配」に加えアルコールや睡眠薬・違法薬物・などによる抵抗力の剥奪、あるいは魔法や催眠術などを用いた「女性の意思の改変」などが見られることからも窺える。

一方、男性の性的満足感については射精以上に「女性のオーガズム」が大きく影響している。俗な表現をすれば「女をイカせる」ことがセックスに於ける男性価値であると、男性自身によって見做されているということだ。
しかし奇妙なことに、これは必ずしも「女性がオーガズムを感じられるよう奉仕的に振る舞う」ことを意味しない。前述の射精欲求に加え「支配欲求」が強く影響した結果として、女性が「実際にオーガズムを感じる」かどうかは然程重視されず、単に男性がそうと思い込めれば十分ということになり、それどころか逆に「男性が満足感を得た以上、女性も満足しているはず」という形で一方的に女性の快楽を規定する場合さえある。