大谷は遠くへ打つ能力があるだけ 広岡達朗

 栗山英樹監督は全日本選抜チームの監督経験がない。現役時代の実績もない。

 評論家時代は、一時期までは頭のいい男だと思っていた。私も野球とは何かについて、いろいろ話をしてやったことがある。聞き上手でしゃべりもうまい。ところがその後、ある外国人を評して「バースとクロマティを足して2で割ったような選手を巨人は獲った。楽しみだ」と書いた。そんな選手じゃないと思っていたら、案の定シーズン半ばでクビ。見る目がないなと思った。

 そんな栗山がなぜ監督になるのか、私には不思議でならない。

 ダルビッシュもダルビッシュだ。物事の筋道を知らない。これを言ったら監督、コーチがどう思うかという想像力が働かないから平気で越権行為のようなことをやる。いったい誰のためのチームなのだ。

 昔は、技術というのは教えられるものではなく盗むものだった。張本勲などは「私が死ぬ気で努力してつかんだ技術をなぜ他人に教えなければいけないのですか」と話していた。

 日本代表チームも同じだ。大谷がフリー打撃で160メートル弾を打ったとメディアは大騒ぎしているが、遠くへ打つ能力がある選手が打ったに過ぎない。懸念すべきは長打力がない選手まで俺も俺もと遠くへ飛ばそうと思ってしまうことだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e2c752cc4dfd0112343ebb959e77031bb1389e6