【ジュネーブ=森井雄一】世界保健機関(WHO)は8日、西太平洋地域事務局(フィリピン・マニラ)の事務局長を解任したと発表した。2019年2月に事務局長に就いた葛西健氏で「調査の結果、不適切な行為が判明した」としている。AP通信によると、WHOが地域事務局長を解任したのは初めて。

 WHOは6か所の地域事務局で世界をカバーし、西太平洋地域事務局は日本や中国、ベトナム、オーストラリアなどを管轄している。

 WHOは、葛西氏の名前や問題行為については明らかにしていないが、現地職員に人種差別的な発言をしたり、機密情報を日本政府に漏らしたりしたとして告発されていたことが昨年1月、明らかになり、内部調査を受けていた。