2006wbcのイチローの話

松中氏は、この第1回大会中のエピソードを明かす。
「対戦する投手でメジャーリーグのピッチャーが出てきたら、必ずその球種、軌道を凄く教えてくれていた。
ビデオだけじゃ分からない、打席に立ってみないと分からないんですけど、イチローからどういう軌道が来る、このピッチャーはこの球が得意だと聞いていたからボールが絞りやすかった。
一発勝負の中で、それはありがたかった。全て頭に入っていて、初めての対戦だから、それを僕らに教えてくれた。変化の角度だったり、得意球だったり」

 さらに、イチローはチーム全体に対しても、積極的に自信を持てるような言葉をかけ続けていたという。
松中氏は「どうしても自分たちはメジャーリーガーとなると凄いというイメージしかないけど、そこでイチローは『いやそれは違う』と。
『日本人の方が能力は高いし、自信を持ってやればいい』『絶対大丈夫だ』と言っていた。そういうのも含めて言葉だけじゃなくて結果で示してくれた。言葉の重みを感じました。イチローだからこそ響くところもあるし、それを行動で示してくれるので余計に信用する