侍ジャパン佐々木朗希投手(21)が、特別な日にWBCデビューを果たす。
東日本大震災から12年となる3月11日。1次ラウンド第3戦となるチェコ戦に先発する。
「ここ2試合、緊張感のある中で試合を見られている。いいパフォーマンスを発揮できるようにしたい」と気持ちは高ぶる。

震災当時、岩手・陸前高田市の小学3年生だった。自宅は津波で全壊。
父功太さん(享年37)、同居していた祖父母を亡くし、大船渡市に転居した。
昨年の3月11日には「なかなかその時のつらさだったり悲しみは消えないとは思うんですけど、今、野球にこうして打ち込めているのはたくさんの方々の支えがあってと思う。
支えてもらった方たちには感謝しかない」と言った。日の丸を背負って上がる東京ドームのマウンドにも、感謝の思いを胸に秘めていくはずだ。

世界を驚かせる準備はできている。4日の壮行試合中日戦(バンテリンドーム)で自己最速165キロをマーク。
捕手の甲斐が捕球できないほどの勢いで仕上がりは万全だ。
2月の強化合宿ではダルビッシュからスライダーを教わるなど、進化は止まらない。自身初のWBC。大声援の後押しを受け、異次元の165キロ超えもあるかもしれない。

この日はキャッチボールなどで調整。登板前日の準備を淡々と済ませた。
「まずは自分のピッチングに集中して、いい結果を出せるように。とにかくチームが勝つためにやっていきたい」。「3・11」。忘れられない日に侍ジャパンが、日本が、1つになる。

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