WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の東京プールが始まる前日、公式練習のため東京ドームに初めてやって来たチェコ代表チームは、まるで修学旅行で訪れた少年たちのようだった。ビジター側のクラブハウスに着くや否や、着替えもせずにそのままベンチ横の通路を抜けてフィールドへ直行。

「おぉー」

 感嘆の声を上げ、目を輝かせた。全員が一様に天井を見上げたまま、目を離さない。何人もの選手がスマホで写真を撮り、中にはクラブハウスからずっと動画を撮り続けている選手もいた。

「僕ら、こんなに大きな球場で野球をやったことないんだ。屋根のある球場を見るのも初めてなんだよ」

 興奮気味に語ったのはペテル・ジーマ内野手(33)だ。東京ドームを覆う格子状の白い天井――それは彼らにとって、まさに未知との遭遇だった。

こんなの応援するしかないやろ