山本クラスであれば、オーストラリアを抑えたからいい、とはならない。1次ラウンドは勝って当たり前で、本当の勝負は米国に行ってからの準決勝、決勝だ。米国でも始まったC、D組の試合を見ていたが、球速だけで言えば、山本程度の投手はゴロゴロいる。向こうの打者は、100マイル(約161キロ)ぐらいでもバンバン打つ。だからこそ、シュート回転には気をつけたい。

 今年から始めた、下半身を使わないクイックのようなフォームが正解かどうかは別として、体が大きくなくてもパワーピッチングができるのは若さの証拠だ。先日打たれたダルビッシュにも言えるが、まだ調整段階だろうから、修正能力に期待したい。

 打線では村上が苦しんでいるようだが、他の打者が好調な今は打たなくてもいい。4番というのは皆が打てない時に打てばいいのだ。3番の大谷を歩かせて勝負されるなど、屈辱を味わっているだろう。周りがそろって打っていて、自分だけ打てなければ、焦って力が入るかもしれない。だが、1次ラウンドの相手には、村上が打たなくても勝てる。どっしり構えていればいい。

 準々決勝以降は、レベルの高い投手が出てくる。好投手からも打てなければ3冠王は取れない。自信を持って、下を向かず、胸を張っていればいい。真価を問われるのは、もう少し後だ。4番打者に4打数4安打はいらない。他の誰も打てない時、どうしても1本ほしい時に、打てばいい。日本は村上の4番を変えてはいけない。
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