SAO監督「ワンピのようなクソ映画がヒットして絶望した」

――同じ少年ジャンプ原作の映画化で、今年1番のヒット映画となった「ONE PIECE FILM RED」はどうでしたか。

うーん。俺にはあまりピンとこなかったのです。アニメーションの出来としてもけしてよくなかったし。
映画では最後、ウタの歌が流れて劇中のキャラクターたちも感動したようになっているじゃないですか。
でも、みんなの心を支配しようとした人の歌ですよ?

悪魔(トットムジカ)が出てきてからも、ウタ自身はなにもしない。ルフィとシャンクスが頑張る。いやウタもなんかしろよ、と。
そうした頑張りがなく、こちらが知らないうちに自由を奪おうとしたウタの曲を聞いて、いい曲だなはもう欺瞞でしかないですよね。

まあ、劇中のキャラクターたちはそんなこと知らないという見方もできますが、観ている側としてはドン引きですよ。
命をかけてみんなを守ろうとする行為がない限りは、気持ち悪いものを見せつけられているようにしか感じない。

単純に出来がよかった「呪術廻戦0」や「すずめの戸締まり」、チャレンジ精神あふれる「THE FIRST SLAM DUNK」がヒットするのは納得できますが、
これが大ヒットしているのを見て、俺はどういう人たちに映画を作ればいいのか頭を痛めています。