日本サッカー協会の田嶋幸三会長が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝を果たした栗山英樹監督を絶賛した。

 22日に取材に応じた田嶋会長は「栗山監督とは、ファイターズに行く前からずっとお付き合いをさせていただいていて本当にうれしかった」と20年来の親交があることを明かした。

 WBCの試合を視聴してきた田嶋会長は「采配が見事。私たち、見ている人たちをどうやったら喜ばせられるかも考えているのかというくらい、プロの監督として完ぺき。しかもそこでちゃんと勝つというね。大谷(翔平)選手が投げて締めくくって劇的だし、昨日は村上(宗隆)くんが打つし、周東(佑京)くんも選ばれた役回りをしっかりこなす。もう見ていて見事として言いようがない」とその指導力を絶賛した。

 また、栗山監督とサッカー日本代表を率いる森保一監督の共通点にも着目。「うちの森保監督もそうだけど、選手とのコミュニケーションをしっかりと取っている。新しい監督のタイプなんだろうなと思った。彼のやり方を見ていて」と指摘。「良いタイミングで彼が監督になって、そしてその時に日ハム時代に育てた選手たちが何人もそこにいて、彼の誠実な態度、気持ち。本当に人を信じて人を使う。それが選手にも伝わって、良い流れができる。本当に理想的な形だったなと思う」とたたえた。

 そしてサッカー界と比較して「チームスポーツが頑張ることで、日本が明るくなって盛り上がる。これは大きいこと。東京五輪もそうだったし。そう考えるとサッカーはまだベスト16だから。そう大きな顔をせずに、しっかりと地道に、もっと強化をしてやらなきゃいけないと思った」。

 続けて「野球は(FWキリアン・)エムバペ(パリ・サンジェルマン)、(FWリオネル・)メッシ(同)クラスがいるわけでしょ、米国にも日本にも。(サッカーの)日本もそうなっていかなきゃ、(W杯優勝を)つかめない。もっとやらなければいけないことがたくさんある」と語った。