虐待や性暴力を受けるなどした若年女性を支援している一般社団法人「Colabo(コラボ)」の活動の一部について、委託元の東京都が20日、支援方法を変更するようColabo側に指示した。妨害が相次いでいることを踏まえ「安心して悩みや不安を相談できる環境が確保されていないため」としている。

【写真】Colabo代表の仁藤夢乃さん(中央)ら=東京都内、伊木緑撮影

 Colaboは支援事業の一つとして、東京・歌舞伎町にマイクロバスをとめ、10代の女性を対象に食品や衣類、生活必需品などを提供し、相談に乗る「バスカフェ」を月3回程度開催している。この活動に対して昨年から、ひわいな言葉を叫んだり出入りする少女を撮影したりといった妨害行為が繰り返されていた。東京地裁は3月14日、1人の男性に対してバスへの接近や妨害行為を禁じる仮処分を出している。

 都福祉保健局は、事業を「非常に重要な取り組み」とした上で、22日に予定しているバスカフェについて別の方法を検討し、都と協議するよう指示した。担当者は「現状では効果的な支援が難しいと判断した。都は安全確保も含めて委託しているとの立場。妨害活動を注意したり止めたりする権限はない。警察には伝えている」としている。

 Colaboは20日、都に「さまざまな誹謗(ひぼう)中傷や妨害があるなかでも、50人ほどの少女たちが利用する日もある」「本当であれば、毎日開催しなければならない状況」「継続して開催しなければ、そのような少女たちが放置されることになる」などと文書で訴えていた。仮処分が出たことも踏まえ「バスカフェを(その場所で)開催しなければ(仮処分の)効力を得ることができない」「妨害に屈せず、本事業を守っていただきたい」と伝えていた

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d99f590312299616306f9db78064132934fe83d