ある男が野ざらしになっていた骸骨を見つけ気の毒に思って供養をしてやる
その晩に男の家の戸を叩く者があり「誰だ」と聞くと「フェイ(妃)」と答える
「私は楊貴妃。馬嵬で殺されてから葬られることもなく
野ざらしになっていたのをあなたが供養して下さいました。お礼に夜伽をさせて下さい」
絶世の美女と夢のような一夜を過ごした

これを聞いてうらやんだ隣の男
早速あたりの野原を探し回ってようやく野ざらしになった骸骨を見つけ供養した
その晩やはり戸を叩く者があり「誰だ」と聞くと「フェイ(飛)」と答える
「楊貴妃かい」と訊くと「俺は張飛だ。漢中で殺されてから葬られることもなく
野ざらしになっておったのをお主に供養していただいた。お礼に夜伽させていただく」