米ケンタッキー州ジェファーソン郡で2015年5月15日、当時小学1年生だった女児がスクールバスを降車中、背負ったリュックをドアに挟まれてしまい約350メートル(1147フィート)引きずられた。

バスは時速約40キロで走行しており、この事故で女児は心的外傷後ストレス障害(PTSD)や左脚の永久的な神経損傷に苦しんだ。また両脚の皮膚の一部を喪失するなど身体の12%に酷い擦過傷を負い、数回にわたる手術にも耐えてきた。

バスを運転していたのはメリンダ・サンダース(Melinda Sanders)で、事故から約1か月後に解雇されたが、女児の母親は2018年にメリンダと通学していたウィルカーソン・トラディショナル・エレメンタリースクール(Wilkerson Traditional Elementary School)の学区を相手に損害賠償などを求めて訴えを起こした。

動画では女児が降車すると、スクールバスの両開きのドアにリュックが挟まれてしまうのが見て取れる。女児は一度振り返って運転席を見ているが、メリンダは隣に立っている生徒との会話に忙しいのか、女児には一度も目をやることはなかった。

そしてバスが走り出すと、女児はリュックが挟まれた状態のまま両手を横に広げ、懸命に足を動かしている。しかしバスのスピードに追い付けなくなって倒れてしまい、バスに引きずられてしまうのだった。

『NewsNation Now』によると、メリンダが女児の異常を知ったのは1台の車がバスの目の前に車を侵入させて停止したためで、それまでの約1分弱の間は他の車がクラクションを鳴らしたりしたものの全く気付かなかったという。

この日の裁判では「一時停止すべきところを止まらなかった」「走行中には生徒全員が着席しなければならないが徹底できていなかった」など、メリンダが16もの違反をしていたことが明らかになった。