第2次森保ジャパンが目玉の一つに掲げた新戦術に2試合連続でトライしたが、FIFAランクで上回る強豪撃破とはならなかった。W杯からの上積みを図る森保監督は「新しい戦術のチャレンジと、新たな選手の融合は簡単ではない」ともどかしさを抱える。
 「世界一」を目指す新体制に入閣した名波浩コーチ(50)が中心となって、選手に新戦術を落とし込んできたのが“偽サイドバック(SB)”と呼ばれるシステムだった。

 SBが中央に絞り、ボランチの高さに位置取ることで起点になるほか、守備時はCBの役割も担うというマンチェスターCなどが採用する戦術だが、今回の2試合では選手間の混乱の解消とまではいかなかった。この日、ボランチに入った鎌田は「SBとかぶらないようにしないといけないし、(チームが)何が正解かも分かっていなかった」と立ち位置の難しさを指摘していた。森保監督も「選手が変わった中で全てがスムーズにいくのはなかなか難しい」とコンビネーション習熟へ課題は多い。

 ただ、収穫も少なからずあった。前半38分にはA代表デビューのDFバングーナガンデが中に絞ると、サイドの三笘へパス。三笘のクロスは得点に結びつかなかったが、狙いの攻撃の形が出た。ウルグアイ戦でも菅原が伊東との連係でアシストを引き出すなど、世代交代を模索する中で、両SBは今後の可能性を感じさせた。

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