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伊藤「どうすりゃいいんだ・・・」

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1それでも動く名無し
垢版 |
2023/03/30(木) 21:55:58.24ID:AY3l/gDLa
本拠地、エスコンフィールドで迎えた楽天戦
先発加藤が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は100敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、昨年のエース伊藤は独りベンチで泣いていた
WBCで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイトと監督・・・
それを今の日本ハムで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」伊藤は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、伊藤ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってツイッターでレスバしなくちゃな」伊藤は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、伊藤はふと気付いた
2それでも動く名無し
垢版 |
2023/03/30(木) 21:56:19.45ID:AY3l/gDLa
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した伊藤が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにファイターズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする伊藤の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ヒロミ、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った伊藤は目を疑った
「け・・・賢介さん?」 「なんだロジン、居眠りでもしてたのか?」
「や・・・矢野コーチ?」 「なんだ伊藤、かってに矢野さんを引退させやがって」
「杉谷・・・」  伊藤は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:西川 2番:近藤 3番:大谷 4番:中田 5番:田中賢 6番:レアード 7番:陽岱鋼 8番:大野 9番:中島卓
暫時、唖然としていた伊藤だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
バースからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する伊藤、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている伊藤が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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