やべー世界だな

白田の場合、大会の2カ月半前から練習が始まる。誰も見ていない環境で、ただ1人で黙々と苦しみに耐え抜き、少しずつ胃を広げていく。
「人間の体の構造上、胃の中に食べたものが十数キロも入るっていうのが異常なことじゃないですか。だから、限界まで広げると胃がほかの臓器を圧迫して、臓器の位置がズレてくるんです。
胃が前にあるから、ほかの臓器は後ろにグッと押されて、背中がボーンと膨らむんです」
その状態になると立ち上がる瞬間にはよろけてしまうし、まっすぐ歩くこともできない。