>>645
ちゃんとここまで転載しろ


電話の父の言葉はあっけないものでしたが、僕は手紙をやり取りするなかで、父のこんな覚悟を知らされていました。

「お前が辞めて帰ってくるなら、俺は調教師を辞める。息子さえまともに育て切れなかった人間が、馬主さんの大事な財産である馬を預かる資格はない。だから、お前が辞めるのであれば、もう調教師は続けられない」

 それでも辞めたいと訴え続けた僕ですが、一方で、父がただの脅しでこんなことを言う人間ではないこともわかっていました。

 考えてみれば、誰かから「ジョッキーになれ」と言われたわけではなく、自分で選んでここにいる――。

 ジョッキーになるしかない。そして、一番を目指すしかない。

 そう覚悟を決めた出来事でした。