ロッテの三塁コーチャーを任されているのが、大塚明外野守備兼走塁コーチだ。
この大塚コーチ、実はセイバーメトリクスの指標を活用し、自チームの走塁にフィードバックしていることで知られている。
今回は大塚コーチの指導がどれだけの価値を生んでいるかに着目したい。

具体的に大塚コーチがどのような施策を行っているのだろうか。大塚コーチは自身のブログで“毎年の目標として、
セイバーメトリクスの走塁指標である「BsR」で、12球団No.1になることを掲げてシーズンに取り組んでいます。”と述べている。
BsRとは走塁の総合指標のことだ。「平均的な走者に比べ、走塁でどれだけ得点を増やしたか」を表す。
BsRは「1.盗塁の貢献指標wSB」と、「2.盗塁以外の走塁指標UBR」の合算値だ。
データでの表現が難しかった「2.盗塁以外の場面」について評価できる点も優れたポイントの一つである。

実際にロッテの走塁がどのような結果だったか、昨季のデータを見てみよう
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この表を見ると、大塚コーチが重視する総合走塁指標BsRにおいて、ロッテは20.5で12球団トップ。
2位阪神とは僅差だったが、パ・リーグ他球団とは大きな差がついている。
特にオリックスとは40得点以上の差があった。両球団間に走塁だけでこれだけの差が生まれているのだ

ただこれはそもそもロッテに俊足の選手が多いことも関係している。昨季ロッテは盗塁数が132で12球団ダントツ。
盗塁王を獲得した高部瑛斗をはじめ盗塁ができる走力をもった選手が揃っていた。

しかし盗塁以外の走塁貢献UBR単独でみても、ロッテの10.6はリーグトップクラス。
単純に盗塁が多かったことだけが走塁指標で突き抜けた要因ではない。そこには大塚コーチが司る判断力があった。