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──さて、今回のテーマは凱旋門賞の回顧。関係者の方々が口を揃えていますが、とんでもない馬場だったそうですね。
川田 前日に馬場を歩いたときは、これならまだ我慢できるかなという馬場でした。でも、夜中に雨が降って…。当日も一周回って確認しましたが、その時点でだいぶ厳しい馬場に変わっていましたね。前日まであった仮柵を外してきれいな馬場で…ということで、実際にその通りなんですが、凱旋門賞までに3レースが組まれていた。となると当然、馬場は掘られるわけですよ。
 その掘られた状態の馬場に、あの強烈な雨が降ったんです。馬場の表面が濡れたとかそんなレベルではなく、掘られたところに雨が溜まっていったわけですよね。馬場を言い訳にはしたくないけれど、日本では決して経験できない馬場だったのは事実です。

──日本の重馬場、あるいは不良馬場との決定的な違いは、どういうところにありますか?
川田 簡単に言うと、粘土です。緩い粘土の上に芝が張り付いている感じ。だから、ズボッと刺さってなかなか抜けない。刺さる瞬間も力を使うし、当然、抜くのにも力を使います。日本馬は経験したことのない走り方になってしまい、体力の消耗も激しくなります。