小学生かな

入寮初日。割り当てられた「11号室」に岸里が入ると、ベッドからにょっきりとはみ出した足が目に入った。「あれ、間違ったかな」。廊下に出て迷っていると、その11号室から「ひょろりとした長身の男」が現れ、つかみどころのない独特のトーンで言った。

「大谷翔平です。よろしく」

 同部屋の相手は大谷だった。

当時の思い出は野球のアドバイスより、いたずらと読書。先に部屋に戻った大谷が岸里の枕にブーブークッションを仕込み、その音にケラケラ笑う