インターネット上の匿名掲示板で「殺処分でいいやん」などと中傷され、精神的苦痛を受けたとして、重度の障害がある前橋市の男性が、
東京都と愛知県の投稿者の男性2人に対してそれぞれ約196万円の損害賠償を求めて前橋地裁に提訴した。

12日付。投稿者の2人は、東京地裁がプロバイダに対して発信者の情報を開示する命令を出し、特定されていた。

東京地裁、発信者情報の開示命令

原告の男性は、骨の成長に異常が生じる「脊椎(せきつい)骨端異形成症」患者の兵藤一晶さん(47)。

訴状などによると、兵藤さんは左手をわずかに動かせる程度で食事や入浴などの介護が必要で、2022年4月11日に前橋市に24時間体制の介護サービス提供を求めて行政訴訟を起こした。

提訴が報じられた同13日、ネットの匿名掲示板「5ちゃんねる」で、兵藤さんに対して東京都の男性は「殺処分でいいやん」、
愛知県の男性は「生かしておく理由が無いなあ、一思いに殺してやれよ」と投稿。兵藤さんは、16年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件を想起し、
自分の生存価値を否定する人がいるかもしれないと考え、日々の生活において恐怖を感じるようになったという。