国家間の戦争無くしたの失敗じゃね?
広がりなさすぎやろ


―― 普遍性のあるテーマだと思いますが、どの世代の方にも幅広くテーマを伝えるために意識した部分はありますか?

岡本 『水星の魔女』では、「社会構造といった大きな話を大上段に構えて描くのではなくて、観る人にとって身近にあるものを通して描くことで、主人公たちに共感してもらいたい」という狙いがありました。

 今回、競い合う勢力を「企業」にしたのもその1つです。

―― なぜ国家などではなく、企業にしたのでしょうか?

岡本 ガンダムシリーズでは戦いを描くので、複数の「勢力」が登場します。

 『水星の魔女』では、その勢力の単位を何にするか考えました。「国家」だと、これまでガンダムを観たことがない方や、若い方にはちょっと実感しにくいかもしれない。今、実感が持てるような組織の単位って何だろう、と考えていたときに出てきたのが「企業」でした。

 企業であれば、10代でも家族が「会社でこんなことがあった」といった話を聞く機会があるでしょうし、昨今は企業ドラマも人気なので、若い方々にも伝わるのではないかと思いました。

 その結果、モビルスーツを製造する企業体「ベネリットグループ」という設定が出来上がりました。