「外国人選手がほぼ働けなかったのも大きかったですね。マルテが3番に収まってくれてたらだいぶ違ったんでしょうけど、ふくらはぎの状態がパンク寸前ということで、まったく機能しなくなってしまった。2年目のロハスも、性格はいいし、とにかく一生懸命なんで我慢して使いましたけど、1年目からの上積みみたいなものはほとんどなかった」

ファンやメディアの間には、前年限りで契約を打ち切ったサンズを残すべきだった、という意見もあった。30代半ばを超えたこのアメリカ人は、毎年シーズン終盤に大きく調子を落としていたものの、序盤に関しては中核に値する働きを見せていたからである。
だが、矢野の中にサンズとの契約を延長するという選択肢はなかった。
「腰が悪かったんですよ、サンズ。それこそ、疲れがたまってくると、注射を射たないと歩くのもしんどいぐらい。なので、前半戦、まだ身体が元気なうちはバーッと行けるんですけど、後半はガクっと落ちる。加えて、相手に攻め方を覚えられてきた。基本、インサイドの速い球は打てないし、抜いたカーブも打てない。彼が打てるのはスライダーとフォーク。年齢は30代後半。主力として契約して、チームに置いておくのはちょっと難しいかなって」