JAMS(ジャムズ:JapAnimation Megalomaniac Soyboy)は直訳で「日本アニメの誇大妄想狂キモオタ」を意味し、日本のアニメ、ゲーム、ライトノベル等に多く見られる特定の傾向を揶揄するインターネットスラングです。

出典は定かではありませんが、4chanやredditなどの海外フォーラムで「日本のアニメには『自分の主観的な妄想を具現化し、現実世界を上書きする能力』を持ったキャラクターが頻出する」と指摘するトピックが立てられたことを切っ掛けに、英語圏のアニメファンダムを中心として侮蔑的なニュアンスとともに広まった言葉だと考えられています。

実際に、『Fate/stay night』『涼宮ハルヒの憂鬱』『CHAOS;HEAD』『Dies irae』など、多くの作品でジャムズに該当する設定が認められるため、ジャムズは日本のオタクカルチャーにおける伝統的な類型の一つであると言うことができるでしょう。

サブカルチャー評論家のアンダーソン氏は、「日本のオタク男性は、その多くが高すぎるプライドと無力でちっぽけな現実の自分とのギャップに懊悩し、人生に不満を抱いている。ジャムズは彼らの肥大化した自意識に『価値』を与えて肯定し、そのコンプレックスを慰撫する最良の表現手段として広く受容されたのではないか。
ジャムズは近代的自我が産み落とした畸形児であり一つの病理だが、都合の良い空想の中に遊ぶことが彼らの劣等感を満足させ、欧米におけるインセル(性的不満足のために反社会的行動に走る男性)のような過激化を抑止するのであれば、我々はジャムズに対して少なくとも社会の安全弁としての価値は認めなければならないだろう」と論じています。