■名伯楽の強力援軍

 藤浪はプロ1年目から3年連続で2ケタ勝利を挙げたものの、4年目以降は頭打ちの状態が続いている。しかも、20年にはコロナ禍で合コン騒動を起こすなど問題児でもある。原監督の琴線に触れたのも理解できる。

「久保巡回投手コーチの存在もプラスになるかもしれません」

 とは、前出の球団OB。

「久保さんは阪神で05~11年に一軍コーチ、13~17年は二軍コーチを務め、藤浪と在籍時期が重なっている。藤浪再生に意欲を示していましたが、球団の方針で指導に関わることができなかった。久保さんは当時、内心忸怩たるものがありましたから、藤浪が巨人入りすれば強い味方になってくれるはずです」

 その久保コーチは21年5月、WEBメディア「SPAIA」のインタビューで藤浪再生への思いをこう語っている。

「自由気ままに作ったケーキが仮においしくても、作り方が分からないと再現できない。ピッチングも根っこの部分をきちんと教えておかないと崩れた時に戻せなくなる」

「投球動作に入る前に三塁方向を向いて、自分の左肩をホーム、右肩を二塁に向けてそのまま並進運動し、ギリギリでホームに向き返らないといけない。藤浪はそれができていないから肩が開く。腕が下がったり、左足を着地する時につま先が開くのもそこに原因がある」

 さらに具体的な“処方箋”として、「平均台でのシャドーピッチングや送球練習をした方がピッチングは直るかも知れない」と指摘した。