管理が甘いと言われても仕方がない。かつて競輪、ボートレースと公営競技を担当していた記者にとって、選手が競技場内でスマホを持っていないのは当たり前。それが今回、レース直前まで待機する部屋で持っていたことに驚いた。
 これも当たり前だが、通信機器を持っていれば八百長の温床になる。今回、デビューして間もない若い女性騎手たちが、管理する人間の目が届きにくい女性騎手だけのジョッキールームまで持って通信したのは認識の甘さだろうし、外部の誰かに騎乗馬の情報を伝えるとは思えない。だが、持っていなければ、そんな可能性すらなくなる。
 競輪やボートレースの選手は競技場に入る前、通信機器を主催者に提出する義務がある。場所によっては金属探知機もある。隠れて持ち込み、使用発覚となれば1年間の出場停止などもあった。それがJRAの騎手は調整ルーム(宿泊施設)でセーフティーボックスに預ける義務はあるが、厳しく管理はされていないという。今回、JRAの職員に聞くと「そこまでは…」と言われた。騎手の良心を信じているのだろうが、公正競馬を目指すなら、不正の可能性を消すことは最も大事なことだろう。
 もう一つ、気になったことは処分発表の遅さ。河原田、永島、小林美の3人は23日の発覚後すぐに使用を認めていたが、翌週も騎乗していた。本来ならこの3人には翌日にでも処分を下せたはず。彼女たちは平常心だったのかどうか…。公正な開催に向けてやるべきことはあると思う。

競馬が緩すぎるだけなのか競艇が厳しすぎるだけなのかどっちなんやろ