凡退の山に、精神的に追い詰められる。打席以外にも影響が出始めたのを、立浪監督に見透かされた。溝脇との交代を覚悟してベンチに戻ると、血相を変えて歩み寄ってきた指揮官に一喝された。
「もう帰れ! ファーム行ってこい!」
他の選手たちはその光景を見ることすらはばかられ、ベンチが凍りついた。強い剣幕は、期待の大きさの裏返しでもあった。
“強制送還”を告げられ、京田は目の前の野球用具を抱えてベンチ裏に引き上げた。荷物をまとめ、いったん宿舎へ。帰り支度を整え、思考停止のまま新幹線に飛び乗った。

普通こういうのってすぐに上にあがったりするんやけどな