一蹴されることを覚悟のうえで、2021年のオフに「チャレンジしたい」と球団幹部に伝えた。しかし、球団幹部の反応は意外なものだった。

「『いつ言ってくるかなと思っていたよ』と。『基本的に認める』とも言ってくださりました。“チームが優勝したら”とか“15勝以上したら”といったメジャー挑戦のための条件も設定されませんでした。球団に意思を伝えた後、お世話になった方たちに連絡しました。もがき苦しんでいた時期に『細かいことは考えずに腕を強く振っとったらエエねん』『勿体ない。ぜひメジャーにチャレンジしてほしい』と励ましてくれた野茂英雄さん(54)は『おめでとう! 応援させてもらう』と喜んでくださった。山本昌さんも大変喜んでくれました。重圧との闘い方など、スター選手としての経験を伝えてくださった武豊さん(53)は『いいんじゃない? 一度きりの人生なんだから』と言ってくださり、五輪で2大会連続金メダルに輝いた柔道家の大野将平選手(30)からは『応援させてもらう。覚悟を決めたプロセスについてじっくり話を聞きたい』という言葉をいただきました」