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ある日、主軸の大西宏明(元オリックス)が練習中に思うようなプレーができず、ふてくされていた姿を見かねた清水が、
『走って、頭を冷やしてこい!』と命じた。
グラウンド外周をランニングしていた大西は、それでも不満があったらしく、走る速度が徐々に落ちていくのは明白だった。
そこで清水は、大西ではなく主将の平石を呼びつけ、怒鳴りつけた。
「お前は同級生にもものを言えんのか! チームをうまくまとめられてないやんけ!」
すると平石は、大西めがけて走り出し「なめとんのか!」と戒めたというのだ。ただの叱責ではない。
それは、強烈な"指導"だった。主将の姿勢に触れた清水は、あらためて平石の芯の強さ、覚悟を確信した。
「過去もたまにやっていたことなんですけど、あれは平石を試してもいたんです。どんな立場であっても、
同級生に『アカンことはアカン!』と言えるキャプテンじゃないと務まらないですから。
あの時の平石はね、あの男前の顔で激高しよったんです。レギュラーだろうが控えだろうが関係なく、
『こいつはおとなしそうなヤツやと思っていたけど、ええ芯を持った男やな』って思いましたね」

2019.05.21

PL学園伝説のコーチが明かす
「控えの主将だった平石洋介の覚悟」
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