1991年11月12日15時5分ごろ、自宅へ車で帰宅していた途中、横浜市金沢区六浦町の住宅街で近隣住民の小学4年生女子児童（事件当時10歳）に対し、スカートの裾から手を入れるわいせつ行為をした。
その直後となる同日15時10分ごろには住宅街で小学5年生少女（当時11歳）に対し自分の下半身を露出したままスカートの上から尻を触るわいせつ行為を行い、
さらにその直後（15時15分ごろ）、同所付近にあった建物の階段で帰宅途中だった幼稚園児の女児（当時6歳）をいきなり後ろから抱き上げ、下着を脱がせるなどわいせつな行為をした。

捜査本部が1991年12月25日朝から被疑者として任意同行して追及したところ、1991年11月12日の2事件（それぞれ11歳・6歳の女児2人に対する強制わいせつ・公然わいせつ事件。時系列順では2・3件目）
についていずれも容疑を認める供述をしたため、神奈川県警捜査一課・金沢警察署は同日夕方に強制わいせつ・公然わいせつの容疑で逮捕した。

県警捜査一課・金沢署は1991年12月26日、強制わいせつなどの容疑で横浜地方検察庁に送検した。
その後の取り調べに対し、3件目（時系列順では最初）の犯行を自供した。
このため、横浜地検は翌日（12月27日）横浜地裁へ10日間拘置することを請求した。
翌1992年1月4日までに逮捕容疑の強制わいせつ罪2件について、被害者との間で示談が成立したため、いずれも被害者側が告訴を取り下げた。
これを受け、横浜地検は同日に親告罪である同罪については不処分とし、公然わいせつ罪についても「既に社会的制裁を受けており本人も深く反省している」として起訴猶予処分とすることを決めた。
その上で地検は同日、勾留期限の切れる翌5日付で釈放することを決め、処分保留のまま拘置先・金沢署から釈放された。
横浜地検は翌日付で強制わいせつ容疑について「被害者との示談が成立し告訴が取り下げられた」ことを理由に不起訴処分としたほか、公然わいせつ容疑についても起訴猶予処分とした。

球団は逮捕翌日緊急幹部会議を開き、この選手との翌年度の契約を白紙に戻し、日本プロフェッショナル野球協約第66条に基づき「次年度選手契約締結の権利を保留する選手」（保留選手）（＝「契約未更改の選手」扱い）とした上で、
処分については「捜査当局の結論を待ってから、解雇も含め厳しく対応する」ことを決めた。

球団は1992年1月7日付で保留選手扱いだったこの選手を解雇して保留権を放棄した上で、統一契約書式第26条に基づき、自由契約選手とすることを発表した。
これに加え、球団は監督に戒告処分、社長・球団代表に対しては同日からの1年間にわたり8％の減俸処分をそれぞれ科した。

同年2月13日にはMLBのコミッショナー事務局がNPBコミッショナー事務局に対しFAXで「MLBの1球団がこの選手に関心を持っているので身分照会をしたい」という内容の文書を送信したため、
NPBコミッショナー事務局は同日に「同選手は同年1月7日に解雇された」との事実のみを通知した上で、同月18日にはMLBに対し「川島セ・リーグ会長が12球団に対し、更生するまで契約しないよう要望している。NPB球団と同様に契約を見合わせるように要望する」とする回答書を送った。

横浜市内の財界人グループ・母校である高校のOBらが「復帰を願う市民の会」を結成し、1993年1月7日から球界復帰を嘆願する署名運動を開始。同月28日までには100,387人分の署名が集まった。
1993年3月には当初目標の倍以上となる約22万人の署名・嘆願書が解雇直後に声明でNPB全12球団に中山との無期限契約回避を申し出ていた川島セ・リーグ会長に手渡された。
この動きを受け、川島セ・リーグ会長は1993年5月28日に「更生の道を歩んでいる」と認め、声明に示した無期限契約回避措置を「早ければ同年6月中旬にも解除する」ことを明らかにした。
1993年12月16日、川島は渋沢良一セ・リーグ事務局長・児童心理学専攻の大学教授とともに横浜市内のホテルで選手と面接し、現在の心境・生活状態などを聴いた上で、球界復帰を承認することを決定した。
これを受け、川島は同日午後の球界三首脳会談で吉國NPBコミッショナー・原野パ・リーグ会長にそれぞれ報告して了承を得た上で、事件当時に各12球団に出した要望の解除を決定し、17日の実行委員会で報告後に各球団へ要望の解除を通知することを決めた。
そして12月24日に「翌日（1993年12月25日付）で選手契約自粛を要請した声明を解除する」とする内容の文書を各12球団宛てに郵送した。

声明解除が正式に通達されたことを受け、以前から関心を示していた中日ドラゴンズ（監督：高木守道）は契約に向けて動き出し、1993年12月27日には打撃投手（球団職員身分・1年契約）として採用したことを発表した。