ノムさんの本で知ったけどむかしはおおらかだったみたい

ヤンキースの超大物三塁手・ロペスを獲得出来た東京オリオンズは大喜びした。
ヤンキースのレギュラーというだけでもすごいが、それ以前にメジャーの代表的なサードでもある
ロペスが獲れるなど奇跡に近かった。
絶大の期待をもって迎えられたキャンプ。
さてどんなプレーを見せてくれるのかと、一身に注目を集める中、何故か外野へ向かって走り出す。
「サードじゃないのか? 三塁に行ってくれ」というと
ロペスは戻ってきた。おもむろに手にしたグラブは、なんと左利き用だ。そしてこう言う。
「私はサードをやったことはないし、左投げだ。それでも良ければ守りますよ」

真相はこうだ。オリオンズはサードのヘクター・ロペスを獲得したつもりだったが、
来日したのは左打ち外野手のアルツール・ロペスだったというわけだ。
どういうカラクリかというと、どうやら代理人が東京側を引っ掛けたらしい。
冷静に考えてみれば、まだバリバリのヘクターがおいそれと来日するわけもなく、
簡単に契約できた時点で疑うべきだったのかも知れない。