「この時期にファームにいると思わなかった」。吉田の本音だ。「先発をやりたいって言ったからじゃなくて、先発でもリリーフでも、今の真っすぐじゃ全然ダメだと思う。どっちにしろ、こうなっていたと思う」。これも吉田の本音。苦悩の日々を抜け出しつつあるからこそ、現状を素直に受け止められる。

 先発志望で臨んだプロ5年目。3月11日の阪神とのオープン戦で結果が残せず、2軍落ち。昨季は1軍で実績を残した中継ぎへの再転向が決まった時は「危機感ばっかり持ってやろう」と、気持ちを切り替えたはずが、どこかで自分を追い込んでいた。

 4月はイースタン・リーグで8試合に登板、13回を投げて15失点、防御率10・38。思うような結果が出ず、「焦り気味でフォームを崩した」。昨オフから取り組んだ左足を高く上げる新フォームが徐々にハマらなくなった。「いい球を投げられない、いい感じのフォームで投げられていない自分にイライラして、点数を取られても(心に)響かなかった」。精神的にも、どん底だったのが4月だった。