―佐藤輝は本塁打を放った初戦、最後の一ゴロをほめていた。そこに兆しがあった。

 「昨日(13日)も最初、ファーストゴロやったやろ。ああいう凡退をしないとな。凡退でもいい内容の凡退と、どうしようもない凡退があるやん、やっぱりな」

 ―四回の攻撃で西純に代打は考えなかった?

 「いや、そんなん全然考えへんよ。こんな雨やし、いけるだけいかそうと思っとったよ、あの時点では」

 ―佐藤輝が良くなっているのは、ポイントを前で捉えているからか?

 「いやそうそう、ポイントが良くなって前で捉えられてるからファーストゴロになるんよ。だって開幕からファーストゴロはなかったやろ。横浜までなかったよ。横浜の最後の試合まで、そういうことやんか、だから、結局。アウトのなり方も悪かったもんな、内容もな。バッターは刺される(差し込まれる)のが一番つらい。刺されるいうことは力負けしているということやな、ポイントでな、結局。自分のポイントよりも差し込まれてるいうことやから、ピッチャーのボールの方が上やということやから、それが一番つらいよな」

 ―梅野は監督が言われているようにコンパクトな打撃をした。

 「なあ、今日はえらい楽に構えとったやんか。昨日、おとついまでこんなんして(バットのヘッドを投手に深く入れるような仕草)、遅れるいうてるのになあ」

 ―そのアドバイスも昨日伝えたのか。

 「だからもう、そんな構えでバットに力入るからな。逆に、普通に打ったら、あないしてな。最初の打席も外、のボールをポンとやったらライト前にヒットなるわけやからさ。コツよな、そんなん。コツをつかめば、ヒットなんて簡単に出てるように思うんよ。そういうもんやんか、バッティングなんか。なんぼ考えてもなあ、ヒットが出ないときはいっぱいあるけどな。そういうもんや、そこをやっぱり自分で感覚でつかめばええんや」