西武・山川穂高「新・ホームラン王」とその母が、人知れず流した涙

山川穂高が生まれたのは、'91年11月23日のこと。生まれてすぐに、両親は離婚している。

ケタ違いのパワーの源となるこの体型は、いかにして育まれてきたのか。問われた山川は、こう答えている。

「決して裕福ではないけど、僕がお母さんのぶんもご飯を食べて、育ててもらったので……」

山川は、女手ひとつで育ててくれた母親・喜代子さん(54歳)への感謝を、ことあるごとに口にしてきた。しかし、喜代子さん本人は、メディアからの取材依頼をすべて断っている。

山川は母を指して「『巨人の星』の明子姉ちゃんみたいな人」と言う。「気は優しくて力持ち」の息子と、それを陰からそっと見守り続ける母。この親子は、いかにして、「新・ホームラン王」への道を切り開いてきたのだろうか。本誌は、山川の故郷・沖縄に飛んだ―。

山川が1歳から年長になるまで通った那覇市内の保育園の園長・立津順子氏は、喜代子さんから、「穂高」という名前の由来を聞いたことがある。

「お母さんが、中部地方に旅行で訪れたとき、山頂に白く雪を残した北アルプスの穂高岳を見て、とても感動したのだそうです。私も含めて、沖縄の人間は雪に馴染みがないですから。『もし男の子が生まれたら、きっと穂高と名付けよう』と心に決めていたそうです」