リリーフに転向した2011年からずっと、平野佳さんをライバルのように意識していました。他のチームはセットアッパーが入れ替わったりするんですけど、平野さんと僕は常にいました。学年も1つ違いだし、毎日、成績を気にしていました。平野さん、きょうホールド取ってるかな? やっぱり取ってるわ…って。故障や離脱もなかったので、一番の脅威でした。

 心身ともに、本当にタフな方です。オリックスで2年間、一緒にプレーさせていただき、あらためて実感しました。練習前にウェート場で入念にストレッチをして、試合が終わってからのメンテナンスも入念。僕は打たれたら、その日1日は引きずるんですけど、平野さんは堂々としているというか、変わらない。そういう姿を見せなかったし、見えなかったですね。

 2011年、13年と2度のオールスター、17年のWBCも一緒に出させていただきました。リリーフだった僕たちはあまり注目されていなくて、取材エリアもほぼスルーでした(笑い)。すると、平野さんが「俺たち、ETCやな…」って。面白いワードセンスや特有の明るい性格が、うらやましくもありました。

タフという言葉は平野佳寿のためにある